今回は前回までコンピューターミュージック黎明期から少し脱線して「ファミコンの音楽」について書きたいと思います。先日スーパーファミコンミニが出て行列が出来ているニュースを見ていたので多少タイムリーな話題です。
スーパーファミコンが出た時の衝撃がもうすっかりはるか昔になってしまいましたが・・・調べたら今からもう四半世紀前ですよ・・・
実はファミコンの音楽を理解できるとコンピューターミュージックの音色を理解する上でとても役に立ちます。
こちらはファミコンで最初に発売された3タイトルのうちのひとつ、「ドンキーコング」
ピコピコしてますね。
今のゲームの音楽ってこんなんじゃないですよね?
歌が入ってたり普通に音楽という認識です。
でもこのころのゲーム音楽やその後出てきた携帯の初期の着信音なんかはピコピコしてます。
なぜかというといろいろ理由はあるのですが、一番にあげられるのはもともとファミコンのソフト自体にデータ量をそれほど蓄積できなかったことがあげられます。
ファミコンのソフトの容量は1~2MBです。
これがどれ位の容量かというとCDが1枚700MBくらいだったと思いますのでCDの700分の1~2です。
曲の長さにすると6~12秒くらいしか録音できない計算になりますね(笑)
この容量の中にあのドラクエだったりスーパーマリオだったりと入れなければいけなかったので曲に容量なんてとれなかったのがあります。
※ちなみにドラクエ1は64KBでできています。CD1枚の中にドラクエが10937本入ります(笑)
ファミコンの音楽はPSGという形式でした。
PSGとは「Programmable Sound Generator」プログラム可能な音源という意味です。
同時に発音できるのは4つまでで矩形波2音と三角波1音、そしてホワイト ノイズ1音と呼ばれる波形を変化させて作っています。
矩形波(くけいは)は四角形の波形をしていてこれを組み合わせたり、ずらしたりすることでいろいろな音を作り出せます。
これで聞いてみましょう。
音楽はベース音とメロディだけでできていますね。
あと2音はどこかというとこの効果音で「ザッ」とか「シュッ」とかいったノイズや「ピューン」という音などで使われています。
では有名なドラクエ1はどうでしょう?これなんかオーケストラになってますからね・・・
聞くと基本3音で出来ていますね。もう1音は効果音で使われています。
敵と戦うときは曲は2音、効果音で2音使っているようですね。
というように昔は今と違ってこんな感じで音色を使い分けていたんですね。
今はというと例えばピアノは最上級のグランドピアノの音を強さにわけて1音で何段階かとって(サンプリングして)それを使用しています。
昔とくらべると雲泥の差です。
いかがでしたでしょうか少し脱線しました。ファミコンに関しては他にも音楽ネタがありますのでこのコンピューターミュージックの後にでも書きたいと思います。
みなさんに覚えておいてもらいたいのはこの音の作り方はファミコンに限ったことではなく、シンセサイザーの音の作り方もこれと基本的には同じです。
いくつかの波形を重ねたり変化させたりしてピアノの音やドラムの音、ベースの音を作り出しているのです。
ちなみに現在のシンセサイザーは実際のグランドピアノの音をサンプリングしてそれをシュミレートすることによって擬似的なグランドピアノの音色を作り出したりしています。科学が進歩してもまだ100%誰が聞いてもわからないようなグランドピアノの音色は作れていません。特にアコースティックギターの音はなかなか再現性が難しいようです。そのほうがミュージシャンとしてはありがたいのですが。。。
次回はまたDTM&コンピューターミュージックの歴史3回目に戻りたいと思います。
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